大工道具(1)

主な大工道具です。ここでは良く耳にする ノミ・カンナ・ノコギリ・カナヅチを紹介します。その他 多数道具がありますが随時紹介したいと思います。
(呼び名・説明は正確にはもっと細かく分類出きるのですがここでは 私の独断で簡素化されています。)
現在は便利な電動工具が沢山あり、年々、手仕事による大工道具を使う機会が減っています。 
時代と共に、道具も進化し、便利になる事は良いですが、やはり全てが電動工具に頼ってしまうのは仕事に味が無くなるような気がします。 物を造る職人である以上は道具にもこだわりを持ち続けたいと思っています。

道具 呼び名(サイズ)
サイズは画像以外も多数あります
説明雑談ページにも説明があります)
●叩きノミ
左から 5分・8分・1寸・1寸2分・
1寸六分ノミ。
このノミは 大きい木材の加工に使用し主に荒彫り用で「追入ノミ」に比べて大きく厚く出来ています。

購入出来る所
大工道具専門のお店
●追入ノミ
左から 2分・4分・5分・7分・1寸・
1寸2分・1寸4分ノミ。
このノミは造作や主に仕上げの際に使用します。このため「叩きノミ」に比べて小さく薄く出来ています。

購入出来る所
大工道具専門のお店
ホームセンター等
●突きノミ
上から1寸6分・9分・1寸6分ノミ
このノミの特長は柄の長さが2倍以上あり柄の頭にかつらを はめていません。
加工された面をさらに平滑にするたに使用します。
カンナを使う事が出来ない場所の平面を出すのに比較的良く使用します。
 使い方が他のノミとは違い かなずち(玄能)で叩いて使うのではなく 腕の力だけで突いて使用します。

購入出来る所
大工道具専門のお店
●カンナ
左から 仕上げ工・仕上げ工・中仕工・荒仕工・溝カンナ
カンナは木材を平滑面に仕上げるために使用します。
■荒仕工(あらしこ)は製材された素面を最初に削るのに使用します。■中仕工(ちゅうしこ)は荒仕工の削り面をさらに平滑にするために使用します。■仕上げ工(しあげこ)は最終の仕上げ面に削るために使用します。■溝カンナは 敷居や鴨居の溝を仕上げるために使用します。形から解るとうり 直角になった隅の分部を仕上げる際も使用します。

購入出来る所
大工道具専門のお店
ホームセンター等
●ノコギリ
上から 替え刃式ノコギリ・1尺両刃ノコギリ・1尺1寸両刃ノコギリ・1尺2寸両刃たいこノコギリ
ノコギリは木材を切断する際に使用します。
最近では替え刃式ノコギリを使用する事が多くなりましたが、耐久性と切れ味は固定式の方が私は優れていると思います。(その分高価ですが)
切れ味が落ちた時に目立てをしなくていけません。

購入出来る所
大工道具専門のお店
ホームセンター等
●カナズヅ・釘抜き
左から 小釘抜き・中くぎ抜き・中くぎ抜き(仕上げ面用)・かなずち・中玄能・大玄能
カナヅチは主に釘やノミを叩く時に使います。
カナヅチについては地域によって呼び名が変わったり 色々な資料を見比べてみると 記述が違います。
玄能とカナヅチは、どちらの呼び名でも良いのかもしれませんが、私は頭の所が両方太いの物を「玄能」 片方が細く絞った物を「カナズチ」と呼んでいます。
カナヅチに関しても色々こだわりが大工さんによって違います。
購入出来る所
大工道具専門のお店
ホームセンター等

  大工道具について(簡単な説明です)
 ◆カンナ・ノミ 手入れ(刃研ぎ・他)しだいで切れ味が変わりその「腕」も道具の質を左右する。
 もちろん道具の質が良くなくては、使い勝手が悪い物になる場合もあります。
 研ぐ為の道具(砥石)手入もあり、全て使いこなすには それなりの経験が必要で、奥が深くやりがいもあると思います。
 又、カンナは台の手入れも重要です。

 ◆ノコギリ 初めの質が使い勝手を大きく左右する。
 長く使用するのであれば初めに良いものを一つは持っておきたい。 自分で手入れする範囲が限られており、
 (手入でカバー出来る部分が少ないため)目立て(刃研ぎ)は専門の職人さんにお願いするのが良いと思います。
 中には自分で目立てをされる大工さんもいらしゃるようですが、私は目立て屋さんにお願いしています。

 ◆砥石 色々な面で常に慎重にさせられる道具だと私は思います。
 種類も豊富で良いものを使うと切れ味も良くなり 使い勝手のいい道具にしてくれます。
 一番大切な事はその砥石を使いこなす「腕」だと思います。
  私の「こだわり」・・・手間を惜しまず物を大事にする。当たり前の事ですが、これを無くしては大工であって大工で無い!?
 従来の道具・替え刃式道具は、目的によって使い分ければ良いと思います。 
 上で取り上げた道具は、近年「替え刃式」が安価であり切れ味が落ちても交換すれば直ぐに使える用になりました。
 良い点は外で作業時、自分の不注意で道具を傷めてしまった場合でも、替え刃式道具は刃を変えれば、それで元に戻り素早く作業に戻る事が出来る所です。
 それでも私は従来の道具が良い用に思えます。
 「やっと出会った道具」・「がんばって働いて買えた道具」・「自分が一から手入れして仕上げた道具」気持ちの持ちようで愛着が湧き、
 長く使い続ける事ができ その気持ちが、形となり良い物を造りだすような気がします。


大工が手刻みに必要な大工道具
兵庫県丹波市の大工・そういち工務店